幼児期に身につけておくべき10の基礎概念

KUMON幼児教育

❶色(赤・青・黄・の基本三原色、あとは多いほどよい)

「赤いりんご」「青いペン」「黄色いバナナ」など実物で教える。

三原色がわかるようになったら、白、黒、緑、ピンク、だいだい、紫、茶など、わかる色をどんどん増やす。多いほどよい。

優れた色彩感覚を育てるには、まず何よりも外へ連れて出て、自然の景色のなかの色に目をとめさせる。朝日、青空、白い雲、緑の木々、自然のなかで色は限りがない。

名画などにも触れさせ、絵の具を与え、混ぜて色を作ることも教える。作った色で絵を描かせる。

❷形(○△□の平面、柱、すい、球…)

日常生活のなかにいろいろな形があることに気づかせる。

「まるいお月様、まるいお日様」「四角い窓、四角い本」「三角のサンドイッチ」など。

○△□がわかるようになったら、だ円、ひし形、台形…平面の次は立体へ。

○△□を書けるようにする。また、ブロックでいろいろな形を作って遊ばせると、形を立体的にとらえられるようになる。❶と❷から、『世界の国旗カード』などもよい。

❸大小(大きい、小さい…)

大・小は、子どもにとってわかりやすい概念。

「お父さんは大きい」「子どもは小さい」「ぞうは大きい」「ありは小さい」など。

❹数(ひとつ、ふたつ、みっつ…、 1、2、3…)

数に強い子に育てるには、できるだけ早い時期から、生活のなかの数に気づかせ数になれ親しませること。食事のときにお父さん、お母さん、子どもの茶わんの数、はし2本ずつ…。

お風呂では、目は2つ、鼻は1つ、口も1つ、指は5本のように身体の部分で。

外出したときは、りんごを5つ買う、パンは6枚切り、階段がいくつ、車の数…と、

いつも数に注意を向けさせる。

❺量(多い、少ない、半分、同じ、もっと…)

「多い」「少ない」「もう少し」「もっと」などがわかること。

コップに牛乳を注いで、どっちのコップに多く入っているか考えさせたり、「半分にして」

「もう少し入れて」など、日常生活のなかで自然に覚えさせる。

また、買い物で、「200gの肉」の量はどのくらいか、「1リットルの水」はどのくらいかなども体験させる。      

❻空間認識(前後、上下、左右…)

「上下」「前後」「左右」「内外」「遠近」を、机の上下、子どもの手の左右、箱の内外、投げたボールの遠近など、具体的な事例で教える。

❼比較(長い、短い、高い、低い…)

「~より大きい」「~より小さい」「~より多い」「~より少ない」というのが比較。

まず、「2つの物を比べることが比較だよ」と教える。

2本の鉛筆を出して、どちらが長いか、短いかについて、「こちらの鉛筆がこれより長い」のように教える。

比較を教えるために、反対語をできるだけたくさん覚えさせることが大切。

暑い⇔ 寒い、早い⇔遅い、甘い⇔辛いなど、反対語はすべて比較するときに必要な言葉となる。

❽順序(1番目、2番目、いちばん前、上から4番目、3番目に大きい

「1番目、2番目、3番目…、いちばん前、いちばん後ろ」という順序のほかに、「上から4段目、いちばん上の段の右から5番目」というように座標で見るときもある。

また、「3番目に大きい」「2番目に長い」など、大きさや長さの順序もある。

❾時間(昨日、今日、明日、何時、5分、10分、30分(半)…)

時間を表す言葉は、「今日、明日、昨日、今、さっき、1時、2時…、午前、午後、朝、昼、夜、1週間、今週、来週、先週、今年、来年、昨年、年、月日、曜日」などさまざま。

特に時間感覚の理解が大切で、「10分前だよ」「5分待ってね」などがわからないと生活に困る。生活のなかに時間を取り入れ、時計を意識させて時刻を読む習慣をつける。

また生活のリズムを正しくするために、食事の時間、散歩、本読み、プリント学習、就寝の時間を決めて習慣化する。

➓お金(1円、5円、10円、50円、100円、1000円…)

金銭感覚を身につけることは3~4歳の頃が大切。

「お店屋さんごっこ」などの遊びを通して金銭感覚を育てる。買い物、バス、電車の切符を買う際など、他人に迷惑にならない程度に生活のなかでお金にふれさせる。

1円が5個で5円、10個で10円、5円が2個で10円、10円が10個で100円…などについても、おもちゃのお金を使って両替ごっこをしながら教える。

幼児期にこのような体験をもたない子どもは、学校の文章題で問われていることが抽象的に思えてさっぱりわからない、ということになる。